コバックと遊ぼう

アンカレッジのダウンタウン近くに、ウェストチェスター ラグーン (Westchester Lagoon)と言う湖があります。アンカレッジで一番人気のあるトレイルであるコースタルトレイル上にあり、サイクリング、ローラーブレード、ランニングや散歩を楽しむ市民の憩いの場です。観光客にも人気があります。

そのウェストチェスターラグーンによく出没する黒い犬がいます。

アンカレジ コボック

彼の名は「コバック(Kobuk)」。

私がアラスカを気に入った大きな理由の一つが「アラスカの犬は幸せそうだから」です。(詳しくは「きっかけ」を見てください。) コバックはそんな幸せそうなアラスカの犬の代表です。

コバックは大抵水の中にいます。

コバックは人間にかわいがられることに関心はありません。なでられることも好きではありません。でも人が近くにいると、水のまわりでじーっと何かを待っています。

アンカレジ コボック

そう。コバックが待っていたのは、石を湖に投げてくれる人なのです。

たまにコバックを知らない人が、ニコニコしながらコバックを見ていることがあります。コバックはひたすら相手を見つめて石が投げられるのを待っています。でも知らない人はコバックが何をして欲しいのか分からないので、ただじーっとコバックを見つめるだけです。そして時間だけが過ぎていきます。

きっとコバックは「何ぼけっと突っ立ってるんじゃい!はよ石投げんかい。俺はずっと待っとんじゃい!」と思っているのかもしれません。

アンカレッジ コボック

誰かが石を水に投げると、コバックは泳いで取りに行きます。そして足で水の中の石をさぐって探します。前足でさぐるには深すぎると、後足を使って沈んだ石を探します。

アンカレジ コボック

石を探り当てると、ダイブ!

アンカレジ コボック

少しくらい大きな石でもしっかりくわえて・・・ (この写真はかなり写り悪いです。本人はもっとかわいいです。)

アンカレッジ コボック

そして投げてくれた人の元には絶対に帰らず、拾ってきた石をちょっと離れた場所へ持って行きます。そして手ぶらで石投げ人のところへ行き、「もっと石を投げて」と言う視線を送ります。彼は水の中から石を集めるのが好きなのです。

コバックはいつも一人です。飼い主は一緒にいません。でも彼は野良犬ではありません。

コバックの家はウェストチェスターラグーンの近くにあるのですが、彼は水が好きな為によく一人でここに遊びに来ているのです。

人に媚を売らず、一人もくもく石を水中から拾い上げるコバック。拾うのが簡単な浅瀬に石を投げられるよりは、ちょっと深いところに投げてもらうことを好みます。彼はチャレンジャーなのです。

あまり小さな石よりも、足でさぐった時に分かりやすい大きな石を好みます。でも口にくわえられるサイズでないといけません。

いつも放し飼いの自由人コバック。彼を見かけたら、石を湖に投げて彼と一緒に遊んでみてください。

写真は2007年5月15日撮影

アンカレッジ アラスカ
● コバック ●

2008年 5月25日 ウェストチェスターラグーンにて撮影