家の購入 その1
私は2004年5月にアンカレッジで就職が決定した時から「そのうちアンカレッジに家を買うぞ」と思っていました。同じ時期に卒業したアメリカ人の友達がさっさと頭金ゼロのホームローンを組んで家を購入しているのを羨ましく思いながら見ていたものです。
頭金ゼロでも家を買うことはできるけれども、自分なりに勉強した結果、結局は高くつくということが分かり頭金を貯めることに。2年間働きながら貯金生活をした後、2006年春ごろから「そろそろ家を買うぞ」と言い出しました。ですが、狭いアパートを出る必要に迫られない為に、この記事を書いている2007年4月現在も未だに学生時代借り出したアパートに住み続けています。
ですが、アラスカに長く住むのだからやはり家が欲しい。一戸建てを買って犬を飼いたい。よって、だらだらとですが家探しを続けています。こんな状態が既に1年以上続いています。
一般的にアラスカはアメリカの中でも住宅が高いと言われています。住宅が安い・高いと言うのは相対的な考え方で、サンフランシスコやロサンゼルスから来た人にとってはアラスカの住宅は安く感じられます。アメリカの中でも住宅が安い地域から来た人にとっては、アンカレッジでマイホームを持つのはお金がかかりすぎ、など意見は分かれます。
また、アンカレッジひとつ取っても、地域や家の大きさによって値段はさまざまです。「アンカレッジで家を買うといくらぐらいするの?」という質問は、極端な話「東京で家を買うといくらぐらいするの?」と言うのに似ています。答えは「ピンからキリまであるけど・・・」となることでしょう。
アンカレッジで一軒家の値段を見ると、10万ドル(1ドル=100円の計算で1千万円)以下で買えるところもあれば、上は百万ドル(1億円)を超える家もあります。人によって基準が違うのは承知の上で書くと、アンカレッジでは25万ドル~45万ドル(2,500万円~4,500万円)あれば比較的安全な地域に、比較的状態の良い一軒家を買うことができます。タウンハウスやコンドミニアムにすると、もっとお手ごろな値段になります。
同じ値段でも、場所をアンカレッジ郊外に移してイーグルリバー(Eagle River)やパーマー(Palmer)などで家を選ぶと、敷地の大きな物件が手に入ります。
どこに住んだらいいのかと言うのは個人の優先事項によって変わります。私が学生だったころの夢は、アンカレッジの郊外であるヒルサイドに大きな敷地の上に建つ眺めの良い家を買うことでした。緑が沢山あって広い敷地が手に入りやすいからです。(あくまで夢だったので値段は無視。)
現在家を選ぶ段階になって、ヒルサイドは候補からはずれています。街までの通勤に不便と言う事と、街周辺に比べると気温が低く、よってより長い冬を越さねばなりません。
自分のライフスタイルに合った、それでいて自分の気に入った、しかも自分の手の届く値段の家を見つけるというのは大変な作業です。私は何十件もの家を見てまわって、もう何が良いのかさえ分からなくなってきました。我が家の家購入はしばらく先になりそうです。
参考の為、アンカレッジの家購入過程で私が使ったウェブサイトを紹介しておきます。
Alaska Housing Finance Corporation < http://www.ahfc.state.ak.us/home/index.cfm >
アラスカで家を買おうと思ったらまずここの開催する無料セミナーに出席すると良いでしょう。ローンや家の購入プロセスなどを学ぶことができます。また、この無料セミナーに出ると、アラスカ内のローンの金利優遇クーポンがもらえます。この講習プラス、自分でインターネットで家の購入について調べることをお勧めします。
Alaska MLS (Multiple Listing Service) < http://www.alaskarealestate.com/>
アラスカで家探しをしている人にとっては無くてはならないウェブサイト。FSBO(For Sale By Owner ・・・家主が業者を通さずに自分で売りに出しているもの)以外の物件はこのウェブサイトで見ることができます。アラスカ州内の、アンカレッジ以外の地域のデータも揃っています。
Anchorage Live < http://www.anchoragelive.com >
使い勝手はあまり良くないけれど、慣れれば役に立つツール。住所(ストリートネーム)などの情報を元に検索をかけると、敷地の広さや過去3年間の価値を調べることができます。このサイトの良いところは、住所からはっきりと敷地が割り出せるところです。
Anchorage Real Estate Property Taxes < http://www.muni.org/pw/public.html >
こちらも、住所(ストリートネーム)などの情報を元に検索をかけると、敷地の広さや家の価値を調べることができます。ここに出ている「Property Info」の中の「Appraised Val (Value)」に、10~15%足した価格が市場価格としての目安になります。例えば、ある家が30万ドルで売りに出されていたとします。このウェブサイトでAppraised Val が20万ドルになっていたら、22~23万ドルがその家の価値であり、30万ドルの売値そのまま支払ったら払いすぎと言う事になります。しかしこれはあくまで目安なので、参考程度に考慮に入れると良いでしょう。
Google Maps < http://maps.google.com/ >
住所検索システム。Yahoo! Maps やGoogle Earth でも良いと思います。住所から場所を調べるだけでなく、「ハイブリッド」表示にすれば「緑が多い」「家が所狭しと建っている」地域などといった、周辺の環境も把握できます。
Zillow < http://www.zillow.com/ >
家の価値や、売りに出されている物件情報が掲載されています。でもどうやら古い情報が載っている事も多いようなので、あまり当てにしないほうが良いかも。今後もっとユーザーが増えれば利用価値が上がりそうなサイトです。
Yahoo! Real Estate < http://realestate.yahoo.com/ >
頑張っているのは分かるけど、もっとユーザーが増えないとちょっときついかな、と思います。Yahoo!の将来に期待します。
FSBO (For Sale By Owner) はこれと言った強力なウェブサイトが見つかっていませんが、私は以下のサイトを時々チェックしています。
2007年4月執筆
追記: 2007年7月、無事に家を購入しました。
● イグルー(雪の家) ●
日本の友人に「アラスカで家を買うんだけど、こっちってみんな家が
イグルーだから安上がりで助かるよ」と言うと本気にされます。