アトランタ
コンフェレンス出張

子供の頃「世界の車窓から」と言うテレビ番組が好きで良く見ていました。そしていつも思っていたことがありました。

「このテレビ番組を撮影している人たちは、仕事で世界中のいろんなところに行ってる。仕事でいろんな土地に行かれるなんて、なんて素晴らしいんだろう。」

さて、自分が社会人になり「世界の車窓から」とは程遠いですが、時々仕事で出張に行くようになりました。私の勤めるIT業界には大雑把に分けて3種類の出張があります。1.コンフェレンス(会議) 2.トレーニング 3.クライアント先での仕事 の3つです。

一般的に人気があるのは1のコンフェレンス。私が一番好きなのは2のトレーニング。3のクライアント先での仕事は、大体出張に向けて完成させなければならないシステムなどがあり残業も増えるし、クライアント先では緊張するしプレッシャーもかかります。

基本的に私はどの種類の出張も好きです。なんたって会社の費用でいろんな所に行かれる。これだけでとても得した気分です。仕事だから遊んでばかりいるわけではないのだけど、普段自分では行かないようなところにも仕事として行かれてしまうなんて、なんて素晴らしいんだろうと思うのです。しかも出張先でおいしい食べ物を食べたり空いた時間を使って観光したり、やっぱり出張はお得だと思うのです。

でもアラスカに住んでいるとジレンマがあるんです。それは、アラスカの素晴らしい夏の間はできるだけアンカレッジに留まっていたいこと。出張は好きだけど、魚とりやキャンプで1週間たりとも夏の時期を逃したくないのです。以前勤めていたITコンサルティング会社は出張が年に必ず3回は入ったのですが、今の会社は年に1~2回のペース。実は転職の理由のひとつに「アラスカの夏を逃したくないから出張の少ない会社へ移りたい」というのがありました。

今の会社で最初の出張が夏に入るのではないかとびくびくしていました。でも今回はラッキーなことに出張が10月末(アラスカでは既に冬)に入いり、しかも行き先はジョージア州アトランタ(アメリカ南部の暖かい所)。これは願っても無いチャンス。寒い時期にアラスカを脱出するのは非常に良い気分転換になるからです。しかも出張目的はコンフェレンス。コンフェレンスというのは響きは難しそうに聞こえるけれど、IT業界でコンフェレンスというと普通は大体みんなが行きたがる「ご褒美出張」なのです。

アメリカでは家族を出張につれていくのをよく耳にします。特に出張目的がコンフェレンスだと、配偶者同伴の出張率が上がるようです。コンフェレンス主催者も「ゲストチケット」なるものを手ごろな価格で売り出し、配偶者が一緒に夕飯や懇談会に来られるように配慮していることが多いです。

今回のアトランタでのコンフェレンス出張には、私の連れも一緒に付いてきました。コンフェレンスでのセッション(勉強会)のスケジュールはまったりしていて夕方からのイベントが充実。まるで夫婦でバケーションに出かけたかのような出張になりました。コンフェレンス自体は2日半だけど、アンカレッジからアトランタの長旅プラス現地での自由時間を合わせて6日間の旅行。こんな風に出張に行かせてもらえて私は幸せ者です。

アトランタ出張

 コンフェレンス初日は懇談会。お酒も出て、飲める人はじゃんじゃん飲んでいた。私達夫婦はお酒飲めないので食べ専門。

コンフェレンス2日目。開幕式に手のペインティングによるパフォーマーが登場しました。手の平に直接ペンキを塗りつけ、黒いキャンバスに絵を描いていくというもの。下書き無しでよくまぁこんな大きなところに絵が描けるよなぁと感心しました。

出席者にはかなりウケていたノリのよいパフォーマンスでした。 

 

 

 

 

 

 

アトランタ出張

コンフェレンス2日目の午後。勉強会は3時半で終わり。その後は主催者が大型バスを調達してきてジョージア水族館へ。300人くらいの団体だったのだが、警察官も動員してバスをエスコートしてくれる丁寧さ。

 アトランタ出張

世界で一番大きな水族館、ジョージア水族館。かなりの迫力でした。コンフェレンス出席者のためにこの水族館を貸切ってくれたので、ゆったり見てまわれて良かったです。

アトランタ出張

 

 

 

 ベルーガが4頭いた。アラスカに住んでいながらまだベルーガ見たこと無い私は思わず見入ってしまった。

 

 

 

 

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水族館巡りのあとは、ジョージア水族館のダンスホールで食事。この時出されたステーキがうまかった~。私が今まで食べたステーキで一番おいしかったです。 生バンドの演奏はそっちのけで食べに集中しました。 ここでもお酒が無制限に出されるので、飲める人はガバガバ飲んでいた。いいなぁ、何か飲めなくて損した気分。

アラスカから来たのは私達夫婦と、私の同僚の計3人。他のコンフェレンス参加者に「アラスカから来ました」と言うと一様に驚かれる。多分アラスカに金融機関があるということだけで驚きなのであろう。(今回のコンフェレンスは金融機関対象のものだった。)

アトランタ出張
コンフェレンス3日は政治家のNewt Gingrichさんのスピーチで始まった。政治家と言っても堅~い話をする訳ではなく、このコンフェレンスの趣旨に絡めた話を面白おかしく語ってくれました。とても話し上手で、この私も居眠りせずに面白く拝聴しました。  

アトランタ出張

 

 

 

 

 この日の夕方はストーンマウンテンへハイキング。遠くに丘のような山がちょぼちょぼ見えるだけで、あとは平らな土地。アンカレッジの山々を懐かしく思う。

 

 

 

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この日は最終日。夜はハロウィーンパーティー。もちろんお酒も飲み放題。食べ物もおいしい。アトランタへ着いてから食べ物がおいしいおかげで、食べ過ぎの毎日。この時点で私は食べ物を見ると「うっ・・・」と来るほど胸焼けがしていた。でもおいしい食事を逃すのはもったいない。胸焼けは我慢してさらに食べ続けた。

このパーティー会場には雇われた手品師がいて、テーブルを1つ1つまわって手品を披露していました。テレビにも出るプロの手品師だそうで、最初は何となく見ていたのだけど超能力かと思うほどの手品の技ですっかり見入ってしまいました。例えば、テーブルの上にあるお砂糖の包み紙を手にとってそのまま宙に浮かせるのです。そして自分は何歩か後ずさり、手を完全に離してもお砂糖の包み紙はそのまま宙にふわふわ浮いているのです。

その他にも航空券をお札に変えたり、また航空券に戻したり、至近距離で見ているにもかかわらずさっぱりタネが分からない手品を次々と披露していました。

アトランタ出張
私は甘いものはあまり好きではないのだが、写真におさまっているのは甘い物ばかり。なぜかと言うと、メインの食事のときになると食べるのに忙しくて写真を撮る余裕がないのです。このハロウィーンパーティーで出されたデザートはケーキが5種類ほど。チーズケーキがおいしかったな。

食べて遊んでばかりのように見えますが、まさに食べて遊んでばかりの出張旅行でした。普段頑張って働いているとたまには良いことがあるものです。

2007年11月執筆。